2013年1月29日火曜日

マイクロ実習

月に2,3日のペースでマイクロ実習をしています。

ミミズの胴体、ネズミの血管で練習していますが、
日本の糸コンニャクが、安価で清潔な練習材料にならないものかと、同僚がdiplomaのテーマとして試行錯誤中です。



絵具を使ってリークテストをしています。

試行錯誤に煮詰まった同僚は、「終わったら糸こんにゃくをあらゆる調理法で食べてやる!」と燃えています。


2013年1月23日水曜日

Green ?

手の外科の教科書の話題になりました。

フランスでは若手医師は「Tubiana」という教科書をバイブルとしているそうです。
(さらにこちらの施設では、ボスが編集している教科書を読みながら診療しています。)

6年生以上のチーフはもちろんGreenを知っていますが、
インターンの先生はGreen? です。


 
 


日本の津下先生の教科書みたいなものだ。と言われて、妙に納得しました。
舟状骨骨折を診て、Schernberg分類とやらを使ってディスカッションをしているのを聞いていると、文化の違いを感じます。

2013年1月14日月曜日

職員食堂メニュー(ストラスブール)

こちらでの定食は1ユーロ弱!
財布にやさしくで、ボリュームたっぷり。
とても重宝しています。

アルザスなので、ややドイツ・オーストリアに近いコンテンツです。
ワインは出てきませんが、ノンアルコールビールは飲めます。









2013年1月7日月曜日

フランスで専門医になるまで


フランスには約30の医学部があり、すべて国立です。一大学に約2000人が入学します。学費は学年ごとに上がりますが、年100190ユーロしかかりません。

海外からの学生も多く、アルジェリア、セネガル、モロッコ、などフランス語圏を中心に様々だそうです。
医師として研修しにくる同僚も、レバノン、ボスニア、サウジアラビア、などから来ていて、フランスが北アフリカやイスラム諸国と関係が親密であることを感じます。

 大学1年生の終わりに大きな試験があって、200300人ほどに絞られます。
落ちた人は留年して再チャレンジするか、看護師、助産師、理学療法士、作業療法士など別の道を目指します。

 6年修了時に国内共通試験を受けます(全国で毎年7,8000人)。その時の成績順に、自分の行きたい科と地域を選ぶことが可能です。医師レベルの地域格差が生じるのが問題だそうですが、医師の偏在は緩和されそうです。納得がいかなければ留年して再チャレンジします。

 ここで、ジェネラリストになるのか、専門医を目指すのか道が分かれます。
 
ジェネラリストは卒後3年ほどのレジデント研修を経て、開業します。

専門医を目指す医師は、病院でインターンと呼ばれ、5年間の研修を積みます。自分の行きたい科が手の外科であっても、この5年間は外科系といった大きなくくりの中で、地域の病院を6か月ごとにくるくる回ります(整形外科のほかの分野や、形成外科など)。この時期に1つ、2つ論文とdiplomaを取得して専門医に備えます。インターンが終わると試験を受けて晴れて専門医になります(ここでM.D.になる)。専門医として開業する道もあります。専門医になった後は、自分で勤務したい病院の専門ポスト(チーフレジデント)にapplyします。手術実績や論文を提出して選抜されるそうですが、コネクションで決まることもしばしばあり、若手医師たちはアンフェアーなシステムだと感じているみたいです。チーフレジデントとして3年間ほど専門病院で研修を積むと、私立の病院で勤務医として転職したときに給料交渉ができるようになります。また、公的保険外診療外来が開けるようになります。(セクター2医師と呼ばれる)

セクター2医師には公的保険外診療(上限あるが自分で診療費の設定が可能、医師指名料の意味合いが強い)の収入が加算されます。見学していると、外来ブースでそれぞれの医師が開業しているような感じです。
なので、外来診療に対するモチベーションが高いです。患者さんが多くても決して愚痴を言いません。むしろ祝日や学会などで自分の外来日が無くなると収入が減るので、手術日を削ってでも外来を開いて、たくさん診察しています(公的保険外来と保険外診療外来の日数は決められている)。
しかし、都心部の病院では医者が患者を選んで、お金持ちしか診察しなくなってきていることや、私立病院では不要な手術が多く行われているという弊害もあるそうで、出来高払いの混合診療を見直すべきだという意見も高まっているそうです。