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2013年7月26日金曜日

研修生活の最後

留学もいよいよ最後となりました。

最終週は地元料理、タルトフランベ(アルザス地方のピザ)を家族で御馳走していただき、 最後の日にみんなにご挨拶。

同僚たちからの、
「時間が経つのは本当に早かったね、君と仕事ができて本当に楽しかった。これからもお互いに連絡を取り合おう。日本に行ったら案内してくれよな!。君と奥さんと息子さんの幸せを願っているよ。また会おう。」
という別れの言葉の数々にはもちろん感激しましたが、それ以上に、
こういった挨拶が、みんなボタンを押したようにスラスラ出てくるのには驚きます。

滞在中に感じたていたことですが、小さいころから人付き合いの経験が豊富で、何回もこのような場面・挨拶を繰り返しているに違いありません。恥ずかしながら、こちらは「モア オッシー」のボタンでしか対応できませんした。


私の研修、妻の研修、息子の小学校、
ボスを筆頭に、自分たち家族のようなトリッキーな存在(移民)を受け入れてくれたフランスは本当に寛容な国でした。
妻の研修先の先生方、息子の友達家族にも大変お世話になりました。


11月にストラスブールで学会発表する予定なので、そのときまでアラポッシャンです。




オペ室からの眺めも最後


大聖堂にも最後にご挨拶

2013年7月18日木曜日

横隔神経剥離

肋間神経剥離に続き、横隔神経剥離もロボットを使ってトライアルすることができました。
横隔神経を腕神経損傷後の神経移行に使う手技に応用するためのブタでの予備実験です。

横隔神経には、motor fiberが多い。ということが、横隔神経を好んでdonorとして使う人たちの意見なのですが、ロボット云々ではなく、剥離手技自体は肋間神経採取の方がはるかに簡単だと思いました。臨床成績に大きな違いがないのであれば、肋間神経を使いたいです。



心膜に沿って下降する横隔神経を剥離

2013年7月9日火曜日

ラマダンが始まりました!

勢いよく!マークを付けてみましたが、
僕にとってはテンションが上がりも下がりもしないイベントです。

ストラスブール自体はカトリック色の強い地域ですが、
フランスにはたくさんのイスラム教徒がいて、職場の同僚も半数はムスリムです。

月暦を使っているので、毎年ラマダンの期間は移動します。
今年は今日から。
ラマダンは太陽が出ている間は食事、水分禁止なので、日の長いこの時期にスタートは厳しいです。
ちなみに今日は3:41日の出~21:38日の入りです。
日の出前に起きることすら大変です。

ドバイから来ている研修医も、フランスは母国よりも緯度が高いので、
「この長さのラマダンは未体験ゾーン」と言って、開始前から怯んでいました。

いざ始まってみると、
「あれ?ラマダン明日からじゃなかったけ?」と開始日をトボケテつまみ食いしようとしてみたり、
「口のまわりにパンくずが付いてるぞ。隠れ食いしただろ。」と、からかって見たり、
なんだかお祭りみたいに楽しんでいる印象です。

コツは日の出前の朝食を食べ過ぎないこと、
喉が渇くので、甘いものは控えることだそうです。
ご参考まで。



1か月間の日の出、日の入りの時間が記載されているラマダンカレンダー
ちなみにイスラム系散髪屋で配られるロゴ入り宣伝用カレンダーです。

2013年6月12日水曜日

DupuytrenのPIP拘縮

Dupuytren拘縮の治療は、18G針でcordを経皮的に切離しています(基節部でも積極的に)が、
PIP拘縮が強いものや、再再発例のサルベージでは、
PIPの関節面を骨切りして軽度屈曲位でdesisしています。

2013年6月5日水曜日

橈骨茎状突起切除

橈骨茎状突起切除は関節鏡視下で行っています。

通常と異なるのは、掌側からシェーバーをいれて操作することです。
3、4portalからいれた鈍棒をFCRの裏側に一度ぶつけて、すぐ尺側皮下に突出し、尖刃で掌側portalを作ります。

香港のグループはこの作業をノンターニケットにして橈骨動脈を触れながらしているようです。

背側関節面がきれいに見えるので、安全にportalが作れれば、有用だと思います。

2013年5月27日月曜日

近位列切除3点セット

PRCは20分台で終わってしまいます。

鉗子で骨をつまむか、写真のブーション("コルク抜き")と呼ばれる骨頭抜去器みたいな道具を月状骨に穿ってen blocに摘出しています。



別撮り。
ちなみに大菱形骨切除でも重宝しています。




キーンベックなのでブーションは使わず。
月状骨がポロッとしてしまいましたが、
一応en bloc。大きいハサミでジョキジョキいきます。

2013年5月16日木曜日

肋間神経剥離

Strasbourgから車で1時間半ほど北上したナンシーというところに、
動物実験施設があります。

本日、ナンシーでブタを使ったロボット支援下肋間神経剥離術を行いました。

これまで、腕神経叢損傷に対する尺骨神経や腋窩神経をtargetとしたロボット支援下神経移行術では、CO2ガスでworking spaceを確保していました。 

多くのケースではretractorがないために展開が困難なことが多かったのですが、胸腔内の操作はspaceが十分にあり、剥離操作がはるかに快適でした。


コストの問題がありますが、
将来、ロボット支援下肋間神経移行術が有益な手技になると思います。

2013年5月8日水曜日

陳旧性SL解離

DISI変形を来しているような陳旧性SL解離に対しては、
フランスのMathoulin先生が考案した、手関節鏡下靭帯縫合術をしています(PMID:21602075)。
鏡視下にSL靭帯と背側関節包を縫縮するエレガントな方法なのですが、
なかなか縫合のtensionが難しそうです。

DISIが戻ってしまったり、逆にきつく縫いすぎて手関節の掌屈制限がでてしまったりしています。

 
 
 
 

2013年5月3日金曜日

SL由来のガングリオン

痛みを伴うガングリオンは、手関節鏡視下手術をしています。
SL由来の背側ガングリオンはmidcarpal portalからのほうが、valveにアプローチしやすいようで、ボスは多用しています。

2013年4月22日月曜日

人工CM関節のsalvage

人工CM関節のsalvageとして大菱形骨切除をしていました。

切除はもったいないからもう1段階がんばってみよう。
ということでpyrolytic carbon インプラントを人工CM関節failure後の2例に最近使いました。
論文的には否定的な意見もあるようですが、実際の長期結果が気になります。




2013年4月17日水曜日

手根管開放術後の再発例

手根管開放術後の再発例に対しては、
横手根靭帯と神経周囲の癒着剥離をして、
再癒着予防の人工スペーサーを入れています。




2013年4月8日月曜日

留学学生

研修していると、ヨーロッパ他国からの留学生と出会います。
これまでにブルガリア、スロベニアからの学生が1か月間研修しに来ました。

ヨーロッパ各国間には交換留学制度があり、
テストにパスすれば、奨学金をもらって比較的簡単に海外研修ができるそうです。

もともと、医師免許を取ってしまえば、ヨーロッパのどこの国でも働くことができるので、
当然の制度なのかもしれません。

レジデントの給料が国によって2倍ほど変わるので、国家間経済格差による医師不足の問題が生じているそうです。

ちなみに海外就労思考の強い彼らの"将来働きたい国 NO.1"は適度な収入と少し長い余暇が得られるスペインだそうです。フランスは忙しいからあまり人気がないそうです。

2013年3月18日月曜日

腱の癒着予防

手関節レベルの腱縫合時に、コラーゲンシート(COVAORTHO)を腱縫合部に巻きつけています。
ややbulkyなので、末梢には使いにくそうです。


 

2013年3月13日水曜日

中手骨骨折

中手骨骨折の治療は、
K-wireを遠位、近位から1本ずつ刺入し、
外でクランプして固定するオリジナルの器具を使っています。
基本的には手術にしています。



 




早期からの運動を許可しています



骨折線が遠位よりの場合は、こうしています。


 

2013年3月6日水曜日

手根管開放術

手外科全体では1週間に30件近く手術しています。

中環指間の延長線上
1.5cmの皮切

手術時間は4,5分です。

2013年3月1日金曜日

DIP関節固定

DIP関節固定は、
openよりも低侵襲
靭帯や腱の展開がないので、安定性が良く、癒合不全が起こりにくい
ということを理由に

SBI社のPercuFIX™ Percutaneous Fixationを使って、軟骨を削ることなく指先から経皮的刺入するのみです。

no more nonunionなので個人的には真似できませんが、外来で診るXp経過では確かに癒合しています。


コンプレッションスクリュー。尾側は指でパキッと折れる。

2013年2月28日木曜日

アキレス腱のエラスト所見と病理の関係

インスブルックでの最初の仕事は
アキレス腱のエラストグラフィーの所見と実際の病理は関連があるのか?
というテーマでした。

フレッシュカダバーのアキレス腱をB-modeエコーとエラストグラフィーで観察し、
腱の変性をどの程度描出できているのかを調べました。

プロジェクト自体は、自分が参加したときには終わりかけていて、完全な後乗りですが、無事に形になりました

Achilles Tendon Assessed with Sonoelastography: Histologic Agreement Radiology 121936; Published online February 28, 2013, doi:10.1148/radiol.13121936

2013年2月23日土曜日

手関節鏡研修コース(ベーシック)

昨年の11月に続き、丸2日かけて手関節鏡のコースがありました。
今回はベーシック、ということで、ポータルの位置や器具の使い方などが重点的に教えていただきました。

加えて、スワンソン、CM人工関節、橈骨遠位端骨折用プレートのworkshopがありました。
12月21日のブログ内容と別意見になりますが、
デモンストレーターに、「CM人工関節は9年は大丈夫、10年で500例やってます。」という先生がいらっしゃたので、今度見学にうかがわせてもらうことにしました。

 
 



2013年1月29日火曜日

マイクロ実習

月に2,3日のペースでマイクロ実習をしています。

ミミズの胴体、ネズミの血管で練習していますが、
日本の糸コンニャクが、安価で清潔な練習材料にならないものかと、同僚がdiplomaのテーマとして試行錯誤中です。



絵具を使ってリークテストをしています。

試行錯誤に煮詰まった同僚は、「終わったら糸こんにゃくをあらゆる調理法で食べてやる!」と燃えています。


2013年1月23日水曜日

Green ?

手の外科の教科書の話題になりました。

フランスでは若手医師は「Tubiana」という教科書をバイブルとしているそうです。
(さらにこちらの施設では、ボスが編集している教科書を読みながら診療しています。)

6年生以上のチーフはもちろんGreenを知っていますが、
インターンの先生はGreen? です。


 
 


日本の津下先生の教科書みたいなものだ。と言われて、妙に納得しました。
舟状骨骨折を診て、Schernberg分類とやらを使ってディスカッションをしているのを聞いていると、文化の違いを感じます。