オーストリアの教育制度は4-4-4年制で、学期は9月スタートです。
(課題がクリアできないと小学生でも留年します。小さい子の中に大きい子がまじって運動していたりするそうです。)
このうち義務教育は9年間なので、高校以上に進まない生徒は中学校を卒業した後に、1年間の職業訓練所を経て就職します。
多くの男子が義務教育終了後 or 高校卒業後、6か月間の兵役に就きます。
医者になるためには医学部に6年間通学し、国家試験をパスすることが必要です。
オーストリアの医学生は5年生の最後に医師国家試験を受けてしまいます(他のEUは6年生の最後です)。
僕のいる超音波外来にも6年生が実習に来ますが、テストが無いのでみんなとても楽しそうに実習しています。
オーストリアの国立大医学部はウィーン、グラーツ、インスブルックにあり、ザルツブルクには私立大学医学部があります。
国立大医学部は1学年500人で授業料はタダです。医学部以外のすべての学部もタダです。
25%ドイツ、15%イタリア、5%スイス、と国外からもたくさん学生が入ってきます。
外国から来た学生は約半数が母国に帰らず、オーストリアに残るそうです。
外国人学生は学費が生じますが、微々たる額だそうです(ちなみにデンマークは医師不足のため、医学部に入るとお金がもらえるそうです)。
「外国から来る学生の費用も、オーストリアの国費で負担しているのか?」と驚いていたら、それが政治でも問題視されているということでした。
同級生が500人もいますので、卒業後はほとんどが外病院にでます。オーストリアには家庭医の制度があるので、ある程度キャリアを積んだら家庭医になる選択肢もあります。医師数が人口千人あたり4.7人ですから、先進国では多い方だと思います。
いろいろな科をまわって研修する、いわゆるレジデント期間は3年間です。
国が定める医師勤務時間は40時間/週。インスブルック大学では年次有給休暇が5週間保障されていて、若手も含めみんなしっかり使います。
専門科を決めてから5,6年(医師8,9年目)で試験を受けて、専門医になれます。
専門医になるとincomeも変わるとのことでした。