2012年6月8日金曜日

オーストリアの医療費事情 (医師側から)

オーストリアで開業すると、公的保険医か保険外診療(私的保険でカバー)も行うかどうかの看板を出します。
専門医であったり、特殊な診療技術を持っている医師が保険外診療医になります。
医師自らが、自己申告で「私の診療には公的保険が使えません」と貼り出します。


通常、患者さんは医師を選べない(6月1日分参照)ので、医師を指名するには別料金が発生します。
大学病院では、その指名料がご指名を受けた医師のポケットにはいり、教授のポケットはいつもパンパンにふくれている。・・・というわけではなく、
教室の共益費(研究費、学会渡航費、文献依頼などの雑費)としてプールされるシステムになっています。
たぶん健全です。

また、大学病院で働く医師は、大学からの基本給料の他に、
勤続年数、手術、学会発表、論文発表などの評価項目に応じて、教室からポイントがもらえるそうです。
ポイントは、お金に換算され、大学からの基本給に上乗せされます。
仕事のモチベーションを上げる効果があり、面白いと思いますが、
ポイントの偏重が、職場に余計な軋轢を生んでしまうのではないかとも思います。
「こんなに手術(研究)がんばってこれだけのポイントなのに、あんなさらっとした研究(手術)であんなにポイントもらえるのかよー。」
となっていそうです。