2012年6月28日木曜日

学会に参加してきました



今の研修先のボスが主催するmusculoskeletal radiologyの学会に参加しました。
参加者は放射線科メインで、整形外科医が少し。
放射線科医にとっても流行は同じなのか、TFCCの演題が多かったです。

個人的にはエラストを使って、みなさんがどんなことに役立てているのか興味がありました。
実際は、計3演題しかなくて、会場でもなんの役に立つの? という雰囲気でした。




確かに、僕自身も今のところ研究ツールとしてしか使えないと思っておりますが、
あの煩雑な測定手順が改善されて、測定方法がまとまってきたら、汎用性があるのではないかとも思っています。

会場のホール中央にはバーカウンターがあって、チーズとハムをつまみながらワインを飲み、チロルの民族ダンスを楽しんできました。

2012年6月23日土曜日

オーストリアの医療費事情 (国の側から)


オーストリアの医療財源は租税から予算分配されるわけではなく、公的保険用に集められた(6月1日参照)財源を基にしています。


また、オーストリアはヨーロッパで現在進行中のEuroDRGdiagnosis-related-group projectに加盟しています。


DRG加盟国

このDRG は、各国から集めたデータに基づき、ある疾患に必要な治療費の標準的な総額を決める方法です。ここから、包括的支払い方式(治療内容や治療期間にかかわらず、疾患に応じて治療費を一定の値段にする)につなげていこうという計画です。無駄な検査や、不必要な入院を減らすことが目的で、日本のDPCみたいなものだと思っているのですが、実際は各国ごとに異なる細かい加算項目があるようで、“包括”とはいかないようです。




オーストリアでも大学病院から自宅退院するまでの受け皿になる中規模病院が少なく、どうしても在院日数が長くなってしまうことが問題になっています。

喫煙者や肥満も多いし(個人的感想)、医療費もかさばっているのではないかと思いましたが、オーストリア政府の財政赤字は今のところ日本ほどではありません。年齢人口分布の違いなのでしょうか? 考察に及びません。


2012年6月20日水曜日

日本からの荷物が届きました

本日、ようやく日本から待ち焦がれていた荷物が手元に届きました。
3月31日に日本から発送して、船便でアムステルダム到着、ウィーンを経由しての長旅です。

合計、段ボール15箱

荷造りをしている時は、「これも使うかも、もしかしたらこれも使うかも」と適応を広くしていたため、日本にしかない貴重なものをたくさん詰め込むことができました。

中を開けたら、トイレットペーパーやら、サランラップやら、プリントやら、喪服やら、
待望の荷物ばかり。

オーストリアに来てからすでに2か月半をこれらの装備なしで暮らせてこられているわけですから、
待ちに待った という以外に言葉が見つかりません。

9月にはフランスのストラスブールへ引っ越さなければなりません。
オーストリアで使うのを憚る大切な荷物ばかりなので、降ろすことなくそのままダイレクトボレーでフランスへ転送してもらうことを配達のお兄さんにお願いしてみましたが叶いませんでした。

沢山の荷物で部屋が一段と狭くなってしまいました。



(下線部を”不用品”など適当な単語に置き換えて、もう一度お楽しみください。)

2012年6月13日水曜日

パソコンキーボード

言うまでもありませんが、研修先で使っているPCのキーボードはこんな感じです。




でもブラインドタッチが苦手なので、あまり困ってません

2012年6月8日金曜日

オーストリアの医療費事情 (医師側から)

オーストリアで開業すると、公的保険医か保険外診療(私的保険でカバー)も行うかどうかの看板を出します。
専門医であったり、特殊な診療技術を持っている医師が保険外診療医になります。
医師自らが、自己申告で「私の診療には公的保険が使えません」と貼り出します。


通常、患者さんは医師を選べない(6月1日分参照)ので、医師を指名するには別料金が発生します。
大学病院では、その指名料がご指名を受けた医師のポケットにはいり、教授のポケットはいつもパンパンにふくれている。・・・というわけではなく、
教室の共益費(研究費、学会渡航費、文献依頼などの雑費)としてプールされるシステムになっています。
たぶん健全です。

また、大学病院で働く医師は、大学からの基本給料の他に、
勤続年数、手術、学会発表、論文発表などの評価項目に応じて、教室からポイントがもらえるそうです。
ポイントは、お金に換算され、大学からの基本給に上乗せされます。
仕事のモチベーションを上げる効果があり、面白いと思いますが、
ポイントの偏重が、職場に余計な軋轢を生んでしまうのではないかとも思います。
「こんなに手術(研究)がんばってこれだけのポイントなのに、あんなさらっとした研究(手術)であんなにポイントもらえるのかよー。」
となっていそうです。

2012年6月1日金曜日

オーストリアの医療費事情 (患者さん側から)


オーストリアで働く人は、毎月給料から通常800ユーロが公的な保険料として天引きされます。
余裕のある人は+αで私的な保険に加入します。
収入のない人、子供や老人には支払義務がありません。

そして薬、検査、診察にかかる負担金額は一部を除いてタダです。

公的な保険料でカバーされないのは、例えば、
関節リウマチに対する生物学的製剤
抗がん剤の新薬
7テスラのMRI検査
歯科のインプラント治療
特定の医師の診察
などが挙げられます。


オーストリアは家庭医制度なので、自分の住んでいる地域によって、必然的に担当医師が決まります。
その担当の家庭医が、専門的な診療や検査を必要と判断した際に、大学病院などに紹介されることになります。
とはいえ、緊急例のために予約外で受診することもできる枠があるので、家庭医を経由せずに大学病院を受診するケースもあります(いわゆるwalk in)。

近郊の街の風景
本文とは全く関係はありません。

公的な保険にしか加入していなければ、決められた家庭医にしか診てもらうことができないことになりますが、私的な保険に加入していれば、医師を指名できます。
大学病院で教授を指名して診てもらうことも可能です。

ですから、教授ご指名患者様専用病室なるものがあって、いささかセレブな雰囲気が感じられたりするそうです。