2012年11月30日金曜日

皮弁カダバーコース at ルクセンブルク大公国


ボスがルクセンブルクで行われている皮弁カダバーコースでレクチャーするというので、車でご一緒させていただきました。
 

参加者はほとんどがイタリアの若手医師。イタリアではカダバーが使えないので、フランスやルクセンブルクのコースに参加せざるを得ないそうです。 

エキスパートによる実演→実習というメニューで、逆行性前腕橈側皮弁、後骨間動脈皮弁、前腕尺側皮弁、カイトフラップ,逆行性中手動脈皮弁、母指球皮弁を学びました。


病院はキレイ、銀行がたくさん入っていました。
職員はほぼ全員、英語、フランス語、ドイツ語とルクセンブルク語を話せるそうです。

 

実習風景



カイトフラップの祖、メリル先生ともお話させていただきました。

 
 
 

系統的に皮弁の実習をしたのは初めてだったので、貴重な経験になりました。

加えて、外国人のおじさんと計6時間ドライブするという貴重な経験になりました。

2012年11月26日月曜日

ロボット研修

ロボットマイクロの研修会がありました。
フランス、スイス、ブラジルから参加者約10人(整形外科手の外科、形成外科手の外科、神経外科)。

シュミレーター、ミミズ、鶏肉の血管を使って練習しました。


エキスパートに手ほどきを受けながら




手前は実機、奥はシュミレーター(テレビゲーム)




モニター画面、オペレーターにはもっと立体的かつ鮮明に術野が見えます




利点
カメラが2つついていて複眼になっている。通常のマイクロより立体的に見える。(かなり快適)
操作している手の動きを1分の1から5分の1の再現に調整できる。
アームの回内外が360度可能。

欠点
感覚のフィードバックがなく、抵抗はゲージとしてモニターに表示される。
マニュアルで手術した方が早い。


血管や神経のレーザー縫合と併用するとか、ナビゲーション機能とシンクロするようにするとか、
未来に向かって改良が進んでいます。
現時点では、腕神経叢などの神経移植手術をエンドスコピカリーに小皮切で行うことを適応の前面に挙げています。

2012年11月23日金曜日

手関節鏡研修コース(アドバンス)


ストラスブールでは毎年2回、手関節鏡研修が開かれます。

今回は中近東、ヨーロッパからの参加者が約50人集まりました。


エキスパートによる講義、カダバーを使ったデモンストレーションの後、

1つの検体に2人の受講生、1人のエキスパートがついて練習します。
 
 
丸二日、関節鏡漬け
 

 

僕個人は香港で行われた初心者コースにしか参加したことがなかったのですが、今回はアドバンスコースを見学することができました。(参加費を払っていないので見学だけで我慢してね。というわけでございます。)

母指CM関節鏡の手技が含まれていたこと以外は、初心者コースと研修内容に大きな違いはありませんでしたが、たくさんの先生の手技を見ることができました。

2012年11月19日月曜日

大学病院附属ワイナリー

橈骨遠位端骨折用のプレートを改良したから、カダバーで試してみよう。
とういうことで、手の外科の病院とは別施設にある解剖学教室に来ました。
当然ホルマリンの匂いがするのですが、ボスが
「ホルマリンとワインの香りのミックスだよ」と言うので、フランスジョークだと思ってツッコんだら、本当にワイナリーがあるそうで、帰りに案内してくれました。


巨大なワイン樽とボス
檻の中に保管されたワインはなんと1472年産
現存ワインでは世界最古?

試飲可能で品揃えも充実

1年間に100万ユーロの利益を上げるらしく、「どの科もワインに勝てない。大学病院一番の収入源。」だそうです。

2012年11月15日木曜日

はじめてのロボット

snuff box部のaneurysmに対して、瘤切除+静脈移植を行いました。
ロボットに針糸やガーゼを渡す助手として参加しましたが、
「もうちょっと右、あっ左、左、はいそこで鑷子開いて!」
と、道具の受け渡しに難渋(とにかくまぶしい)。


オペレーターは離れたところで操作


以前日本の忘年会でやった二人羽織を思い出しました。




手術終了後に実機でスポンジを縫う練習をさせてもらえました。

2012年11月14日水曜日

ストライキ? 続

フランスの医師がストライキに入っているのですが、少し状況を追記します。

医師はストライキに入ると自分がグレーヴィスト(ストライキします)なのか、ノングレーヴィスト(ストライキしないで通常通り働きます)なのかを宣言します。
つまり、労働組合の方針に従って全員お休み・完全ストップ。ではなく、個人の単位でストライキするかどうかを決めています。

例えば、今のボスはノングレーヴィストなので、外来も手術もバリバリ続けています。特に専門医の資格を持っている上級医は外来が減ると収入が減るので休みません。逆に、新人医師たちが「やってられない!」と言ってグレーヴィストになっています。全員が休んでしまうことは現実には不可能なので、グレーヴィストも当番で出勤します。

うちの病院は手の外科専門施設で救急患者は断れないので、救急外来はストライキだろうが患者さんで溢れます(20~50人/日)。その診療にあたるのは新人の仕事です。新人の仲間がグレーヴィストとして休んでいると、おのずと当番の別の新人の負担が増えます。とても大変そうで、非効率的です。

気になるのはノングレーヴィスト(ストライキしないで通常通り働きます)の処遇です。労働組合の方針に背いて仕事をしているわけですから、“「自由診療費収入50%カット」の政府決定を受け入れた”という意味になると思うのですが、それも違うそうです。
結局、労働組合と政府の双方が話し合ってでた結論に全員が従うのだそうです。

それって、「僕はグレーヴィストだ」とか「私はノングレーヴィストよ」という選択の意味があまりないような気が・・・
意見をはっきり言いたいキャラクターゆえの宣言なのかもしれません。



2012年11月12日月曜日

ストライキに入りました

結局、外科系医師を中心にストライキに入ってしまいました。
実際は当番制で出勤対応するそうですが、予定手術の多くがキャンセルとなり、患者さんはさぞ困っていると思います。


Grève (グレーヴ)= ストライキ

2012年11月11日日曜日

ストライキ?


大規模ストライキが起こりそうです。すでに新人が何人か来ていません。(なぜ個人でストライキができるのか意味が分かりませんが・・・)

「自由診療収入の医者の取り分が現時点より50%減る」ということが理由だそうです。

ボスは「タダみたいな値段で医者になってるんだから文句言わずに働け!私が新人の仕事をしないといけない。」とご立腹しています。

 
教授陣もストに入る可能性があるらしく、突入したら約5年ぶりの医者の大規模ストライキだそうです。

 

私は旅行の計画を立てざるを得ません。

2012年11月8日木曜日

デュプイトレン拘縮


デュプイトレン拘縮はギョーム・デュプイトレンの名前が由来ですが、

ギョーム(Guillaumeというのは英語でのウィリアム(William)と同じです。マイケルとミハエルみたいな。(GWで全然違う気がしますが・・・)

 

デュプイトレンという苗字もフランスではデュプイトハンみたいに発音しています。
デュプイトレン拘縮をデュプイトラン拘縮と表記することがありますが、たぶんもフランス語の発音から“ラン”を用いているのではないでしょうか?
(http://ja.forvo.com/word/guillaume_dupuytren/#fr)

 

ストラスブール手の外科ではデュプイトレン拘縮をPercutaneous needle fasciotomy治療しています。

コラゲナーゼは“研究者と製薬会社が仲良しに違いないし、そもそも値段が高い。”というご想像により使っていません。ちなみにインスブルックではたくさん使っていました。

 
Needle fasciotomyについては机上の想像だったので、こんな盲目的な手技でいいんかいな?と思っていましたが、実際見てみると、cord18G針で大胆にシャカシャカ切るのはMPレベルまでで、基節レベルまでは攻めていません。基節部のcordneedle fasciotomyしているとは教えていただきましたが、まだ基節部の手技は見ていません。手掌部のcordも浅いところをカットするだけで、あとは徒手的にバキバキバキっと指を伸展します。意外とMPレベルまでの処置でも軽度の拘縮ならPIPが伸展します。

確かにこれならコラゲナーゼと同じことだと思いました。

 

再発率が気になりますが、early stageなど適応を選べば有効な手技だと思いました。

2012年11月3日土曜日

クリスマスマーケットの準備


ストラスブールは“モミの木ツリー発祥の地”ということで、11月下旬からクリスマスまでクリスマスマーケットが開かれます。1か月間で100万人が訪れ、とても盛り上がるそうです。

 

クリスマスまではまだまだですが、街のメイン広場にはツリーが植えられました。

クレーンを使って少しずつデコレーションが施されています。
 
 
 
ツリーと大聖堂